〈体は繋がっているからこそ!なのです〉

 

 

 体に影響する力は、外から受ける力だけではありません。体の中でも、筋肉同士で力の影響をうけあっています。

筋肉は、各筋肉で動力を生む事が出来ます。体の構造を説明した本で、筋肉はモーターに例えられ、それは医学的にも証明されています。

そして、意外に知られていませんが、内蔵や血管も筋肉で出来ています。胃などの消化器官が蠕動運動をするのは、有名ですよね。

 その、動力を生む物同士が、骨や関節を介し、または筋肉同士で繋がっていますが、体を支えている骨組は思ったほど強健ではありません。関節は骨同士で接続されておらず、全て筋肉で支えられていて、筋肉がなければ全てバラバラになります。ですから、筋肉が強く縮むなどの状態によっては、関節は簡単に歪んだり捻じれたり、ずれ動く事になってしまいます。

 そうやって、歪んだり捻じれてしまった関節でも、正常に動けるように、故意に歪みを作り、バランスをとる事で、体は成り立っているのです。

 体は繋がっているからこそ、歪みが歪みを生み、複雑に問題が折り重なり、最終的には壊れていってしまうのです。

 

 では、繋がっていなければ壊れないのかというと、そうではありません。

繋がっているからこそ、完全に壊れずにすむのです。

 体を一つの機械と考えた時、これだけ複雑な構造で、毎日複雑な動きをするのに、平均80年も、部品交換なしで使えるなんてありえません。簡単な動きだけをする人工関節でも、早い人なら10年以内に交換が必要になるのですから、それだけで考えても、ありえない数字だという事が解ると思います。

 体は、どこかに大きく負担がかかると、壊れないように、他の所でその負担を補おうとします。それが、“故意に作る歪み”になるのです。その歪みだけでは補えなくなれば、他が歪む事で補う。そうやって「助け合い」で、体は成り立っているのです。

 ですから、多少の不具合があっても、症状を一切出す事なく動く事も出来るのですが、補えない程の不具合があると、複数個所同時に何らかの症状が出たり、症状の出る場所が移ったりする事もあるのです。

 

 理論的には少し難しくて理解出来なくても、常連のクライアントは、自身の体でそれを感じている方がとても多いです。

 先日も、いつも腰痛でいらしているクライアントが、「実は、左の肩あたりが痛かったんですけど、右腕を施術してもらっていたら、だんだん痛みがなくなってきたんですよ! 体って繋がっているんですね~。」 と、感心した様子でおっしゃっていた方がいました。

 論より証拠です。皆さんも、是非感じてみて下さい。